必須ミネラル【南部鉄器と健康】7日間で学ぶ「鉄分・ミネラル補給と体の整え方」④
4日目:鉄だけじゃない!現代人が見落としがちな必須「ミネラル」の重要性
これまでの連載で、鉄分がいかに重要か、そして南部鉄器がその補給に役立つことをお伝えしました。しかし、私たちの体に必要なミネラルは鉄だけではありません。今日のテーマは、現代人の健康維持に不可欠でありながら、見落とされがちなその他の必須ミネラルについてです。

鉄と並び、現代人に不足しがちな「三大重要ミネラル」
ミネラルは、ビタミンと並んで、体の機能を調節するために欠かせない栄養素です。特に次の3つのミネラルは、現代のストレスや加工食品の普及により、多くの人が不足している傾向にあります。
- マグネシウム:
- 役割: 300種類以上の酵素反応に関わる「縁の下の力持ち」。エネルギー生成、筋肉の収縮、神経の伝達を助け、精神安定にも重要です。
- 不足の影響: 足がつる(こむら返り)、片頭痛、ストレス、不眠。
- 主な食材: 豆類、海藻類(特にわかめ)、ナッツ類。
- カルシウム:
- 役割: 骨や歯の主要な成分であることは有名ですが、心臓の拍動や神経の情報伝達にも深く関わっています。
- 不足の影響: 骨粗しょう症、イライラ、高血圧。
- 主な食材: 牛乳、ヨーグルト、小魚、小松菜。
- 亜鉛:
- 役割: 免疫細胞の活性化、味覚や嗅覚の維持、皮膚や粘膜の修復など、特に「再生」に関わるミネラルです。
- 不足の影響: 免疫力の低下、味覚障害、肌荒れ、抜け毛。
- 主な食材: 牡蠣、赤身肉、卵黄、ナッツ類。

ミネラル補給は「バランス」が命
ミネラルの摂取で最も大切なのは「バランス」です。例えば、カルシウムを過剰に摂りすぎると、マグネシウムや亜鉛の吸収を妨げてしまうことがあります。すべてのミネラルは連携しあって機能しているため、特定のミネラルだけを大量に摂取するのではなく、多種類のミネラルを適量、バランスよく摂ることが健康への近道です。
南部鉄器は他のミネラル補給に役立つのか?
結論から言うと、南部鉄器は主に「鉄分」を補給するための道具であり、マグネシウムやカルシウムといった他の主要なミネラルが料理に溶け出すことは、ほとんど期待できません。
しかし、鉄器を日常的に使うことには、単なる鉄分補給にとどまらない意義があります。
- 食への意識向上: 鉄器を使って丁寧に調理する時間は、食生活全体を見直すきっかけを与えてくれます。調理器具にこだわることで、食材や栄養バランスへの意識も高まります。
- 「鉄分という基礎」の確立: 健康な体は、まず鉄分という土台がしっかりしていることが大前提です。鉄器で鉄分を安定して補給することで、他のミネラルがより機能しやすい環境が整います。

明日は、鉄分不足以上に深刻になりがちな**「夏の脱水症」**について、汗で失われるミネラルを中心に掘り下げ、鉄器のある暮らしとどう健康を繋げていくかを見ていきましょう。
