掃除・洗剤 | 洗剤は使わないで!鉄器の「健康」を守るための正しい洗浄と乾燥のルール
鉄器にとって「洗剤」はなぜ天敵なのか

南部鉄器のお手入れと聞いて、身構えてしまう方が多いかもしれません。しかし、実はそのルールは非常にシンプルで、かつ合理的です。最初にして最大のルール。それは、**「食器用洗剤を絶対に近づけないこと」**です。
多くの人は、清潔にしようとして洗剤でゴシゴシ洗ってしまいます。しかし、南部鉄器の表面には、使い込むほどに馴染んだ「油膜」や、水の味を良くする「湯垢」が存在します。洗剤の界面活性剤はこれらを全て破壊し、鉄の肌を剥き出しにします。その結果、一気に錆びが発生し、せっかくの道具が台無しになってしまうのです。
「熱」と「摩擦」で汚れを落とす

南部鉄器の正しい洗い方は、驚くほどアナログです。
- 熱いうちに洗う: 調理が終わったら、鉄器が冷めないうちにすぐにお湯をかけます。急激な温度変化による割れを防ぐため、水ではなく「お湯」を使うのが理想です。
- タワシの力: 伝統的な「パームたわし」や「ささら(竹を束ねたもの)」を使い、力強くこすります。洗剤がなくても、鉄の熱と摩擦でほとんどの油汚れは浮き上がります。焦げ付きがある場合は、再度火にかけてお湯を沸かし、汚れを浮かせてからこすりましょう。
「乾燥」が一生モノへの唯一の道

洗った後、水滴がついたまま放置するのは最大の禁忌です。
- 1分間の加熱乾燥: 洗い終わったらすぐに火にかけ、水分を完全に飛ばしてください。表面が白っぽく、カラッと乾いたのを確認したらすぐに火を止めます。この「最後の1分」が、あなたの南部鉄器を100年使い続けられる名品へと押し上げます。
道具への敬意があなたの健康を守る
正しいお手入れは、南部鉄器の鉄分溶出機能を維持するために欠かせません。洗剤を使わない勇気を持ち、鉄器が持つ「自浄作用」と「油の馴染み」を信じてみてください。道具を慈しむその心が、巡り巡ってあなたの健康な体を作ります。

