ヘム鉄と非ヘム鉄【南部鉄器と健康】7日間で学ぶ「鉄分・ミネラル補給と体の整え方」②
2日目:料理で鉄分を増やす!食材の選び方と調理の裏ワザ
昨日は、鉄分不足がもたらす体の不調について解説しました。では、今日から何をどう食べれば、この重要なミネラルを効率的に補給できるのでしょうか?今日のテーマは、食材の選び方と、鉄分の吸収率を劇的に上げる「調理の裏ワザ」です。

鉄分の種類を理解しよう:ヘム鉄と非ヘム鉄
食品に含まれる鉄分には、大きく分けて2種類あります。
- ヘム鉄: 肉類や魚介類といった動物性食品に含まれる鉄分。分子構造上、体内で非常に吸収されやすいのが特徴です。(吸収率:15〜25%)
- 主な食材: レバー(特に豚・鶏)、赤身肉(牛・豚)、カツオ、マグロ、アサリなど。
- 非ヘム鉄: ほうれん草やひじきなどの植物性食品や卵に含まれる鉄分。そのままでは吸収率が低いのが難点です。(吸収率:2〜5%)
- 主な食材: ほうれん草、小松菜、ひじき、大豆製品(納豆、豆腐)、プルーンなど。
効率よく鉄分を補給するためには、吸収率の高いヘム鉄を優先的に摂ること、そして非ヘム鉄の吸収率をアップさせる工夫が重要になります。

鉄分の吸収率を劇的に上げる「食べ合わせ」の魔法
非ヘム鉄の吸収率は低いですが、ある栄養素と一緒に摂取することで、その吸収率を大幅に向上させることができます。それが「ビタミンC」と「たんぱく質」です。
- ビタミンCとの合わせ技: ビタミンCは、非ヘム鉄を体内で吸収しやすい「二価鉄」という形に変化させる働きがあります。野菜、果物、芋類に豊富に含まれているため、ひじき(非ヘム鉄)を調理する際に、レモン汁を少し加えたり、食後にイチゴやキウイなどの果物を食べるのがおすすめです。
- たんぱく質との合わせ技: 肉や魚に含まれるたんぱく質(ヘム鉄)は、非ヘム鉄の吸収を促進する効果があることがわかっています。例えば、ほうれん草(非ヘム鉄)を食べる際は、卵や鶏肉、魚介類(たんぱく質)と一緒に炒めるなど、動物性食品と植物性食品を同時に摂るように意識しましょう。
【料理の課題】食事だけでは補いきれない「鉄分ギャップ」
このように食材や食べ合わせを工夫しても、毎日の食事だけで、特に女性が失う鉄分量を補いきるのは容易ではありません。厚生労働省のデータを見ても、多くの人が推奨量を満たせていない現状があります。
ここで私たちが注目したいのが、「調理器具」の力です。
食材に含まれる鉄分を工夫して摂取するだけでなく、調理の過程そのもので鉄分をプラスできたら、日々の鉄分補給は格段に楽になると思いませんか?
明日はいよいよ、その解決策となる「南部鉄器」の秘密に迫ります。ただの調理器具ではない、南部鉄器があなたの鉄分補給を強力にサポートする科学的なメカニズムについて詳しく解説します。


