二価鉄と過剰摂取【南部鉄器と健康】7日間で学ぶ「鉄分・ミネラル補給と体の整え方」③ | TENKU

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二価鉄と過剰摂取【南部鉄器と健康】7日間で学ぶ「鉄分・ミネラル補給と体の整え方」③

3日目 知って納得!「南部鉄器」が持つ鉄分補給の科学的メカニズム

昨日までの記事で、現代人にとって鉄分補給がいかに重要か、そして食事からの摂取には限界があることを解説しました。今日はいよいよ、その限界を打ち破る、私たちの連載の核心となるテーマ、「南部鉄器」が鉄分補給に果たす役割について、その科学的なメカニズムを解き明かします。

南部鉄器から溶け出す「二価鉄(にかてつ)」の秘密

南部鉄器の鍋や鉄瓶で料理やお湯を沸かすと、ごく微量ですが鉄分が溶け出します。この溶け出す鉄分こそが、鉄器の最大の健康メリットです。

  • 高い吸収率の「二価鉄」: 鉄器から溶け出す鉄分は、イオン化された**「二価鉄(Fe2+)」**という形です。これは、昨日解説した動物性食品に含まれる「ヘム鉄」に構造が近く、体内でそのまま吸収されやすい非常に効率の良い形態です。食事から摂る植物性食品の「非ヘム鉄」は一度体内で二価鉄に変換されてから吸収されるため、鉄器から直接二価鉄を摂取できるのは大きなアドバンテージとなります。
  • 調理によって鉄分がプラスされる: 特に煮物や味噌汁、スープなど、長時間水分に触れる料理を鉄器で行うことで、料理中に鉄分が自然と添加されます。専門機関の調査でも、鉄器で調理した料理は、非鉄器で調理したものに比べて数倍の鉄分を含んでいたという結果が出ています。

サプリメントとの違い:過剰摂取の心配が少ない理由

鉄分サプリメントは手軽ですが、人によっては過剰摂取による副作用(胃腸障害など)の懸念があります。一方、鉄器からの鉄分摂取は、自然な調理過程を通して行われるため、非常に穏やかで安全です。

  • 体が必要とする量だけを穏やかに補給: 鉄器から溶出する鉄分量はわずかですが、毎日少しずつ継続して摂取することで、不足しがちな鉄分を無理なく補うことができます。体が吸収できる量を超えて過剰に摂取されるリスクが低く、日常の食生活に溶け込む形で鉄分をプラスできるのが最大の魅力です。

南部鉄器の正しい使い方と手入れのポイント

南部鉄器のメリットを最大限に活かすには、正しい使い方と手入れが重要です。

  • 焦らずゆっくりと: 使い始めは、お湯を沸かす、野菜を茹でるなど、水分を使う調理から始めるのがおすすめです。鉄器に油が馴染み、「油膜」ができることでサビを防ぎやすくなります。
  • 洗剤は使わない: 基本的に、鉄器を洗う際は洗剤を使わず、たわしでお湯洗いし、十分に乾燥させるのが鉄則です。洗剤を使うと、鉄器に馴染んだ油膜が取れてしまい、サビの原因となります。
  • 使用後は必ず乾燥: サビの最大の敵は湿気です。使用後は火にかけて水分を完全に飛ばす(空焚きする)など、徹底的に乾燥させることが長持ちの秘訣です。

南部鉄器は、単にレトロでおしゃれな調理器具というだけでなく、健康を支える「生きたサプリメント」としての側面を持っています。明日からは、鉄分以外の現代人が不足しがちなミネラルの重要性について深掘りし、さらに健康の知識を広げましょう。

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