【第73話】気力ゼロの水曜日。レンジで一発「本格マーボー豆腐」
「……もう、無理。1ミリも動きたくない」
水曜日の夜20時半。 残業を終えて帰宅した美咲は、カバンを下ろすなり、リビングのグレーのソファに深く倒れ込んだ。 月、火と働き、まだ木、金が残っているというこの「週の真ん中」の絶望感。 しかも今日は仕事で小さなミスをしてしまい、精神的にもかなりすり減っている。
しばらくソファから天井を見上げていたが、お腹の虫だけは元気に鳴き声を上げた。 「はぁ……食べるもの、何もないな」

重い腰を上げ、ノロノロとキッチンへ向かう。 冷蔵庫の横の白いカレンダーには、週末の楽しい予定が書いてある。それだけを心の支えに、冷蔵庫の扉を開けた。 あるのは、お豆腐1丁と、冷凍庫の豚ひき肉。 「フライパンを出して炒める気力はない。でも、ガツンと辛いものが食べたい」
(よし、全部耐熱ボウルに入れて、レンジでチンしよう)
美咲は、アイアンステッキを入れた冷たいアイスティーを作り、まずはそれを一口飲んで気合を入れた。 お茶の渋みが消えてスッキリとした喉越しに、少しだけ神経が休まる。鉄分と一緒に、明日への活力をなんとか絞り出す。
耐熱ボウルに、豚ひき肉、焼肉のタレ、お味噌、鶏ガラスープの素、そして豆板醤を入れる。お豆腐をスプーンで適当にすくってボウルに落とし、ふんわりラップをして電子レンジへ。
「チン!」 5分後、扉を開けると、そこには本格的な中華料理店のような、豆板醤とニンニクの刺激的な香りが漂っていた。 熱々のところに水溶き片栗粉を入れてよく混ぜ、もう一度1分だけチンすれば、見事なとろみのついた麻婆豆腐の完成だ。
「いただきます」 白いご飯に乗せて、ハフハフと頬張る。 「……辛い!でも美味しい!」 焼肉のタレとお味噌を使ったとは思えないほど、深みのある本格的な味。ピリッとした辛さが、今日の小さな失敗も、水曜日の疲労感も、一緒に汗として流してくれる気がした。
大きな窓の向こうで光る車のテールランプをぼんやり眺めながら、美咲は熱々の麻婆豆腐を無心でかきこんだ。
📝 今日の帰り道 買い物リスト
- 絹ごし豆腐(1丁)
- 豚ひき肉(100g)
- 焼肉のタレ、味噌、豆板醤
🍳 今夜の献立:火を使わない!レンジで一発・本格マーボー豆腐

心も体も疲れ切る水曜日、本当にお疲れ様でした! 今夜は、フライパン不要!ボウル一つでできるのに、味は本格派のピリ辛ズボラ飯です。
【作り方(調理時間:約8分)】
- 耐熱ボウルに、豚ひき肉、焼肉のタレ(大さじ2)、味噌(大さじ1)、水(100cc)、鶏ガラスープの素(小さじ1)、豆板醤(小さじ1/2〜お好みで)、すりおろしニンニク(少々)を入れて軽く混ぜます。
- 絹ごし豆腐をスプーンで大きめにすくって加えます。
- ふんわりとラップをし、電子レンジ(600W)で約5分加熱します。
- 一度取り出し、水溶き片栗粉(片栗粉大さじ1+水大さじ1)を加えて全体をよく混ぜ合わせます。
- ラップをせずに、さらにレンジで1分加熱し、とろみがつけば完成!お好みでネギや山椒を振ってどうぞ。
💡 美咲のワンポイントアドバイス 疲れが溜まった夜は、飲み物に「アイアンステッキ」を入れてサクッと鉄分補給。冷たいアイスティーに入れれば、渋みが取れて美味しくなり、手軽なセルフケアが完了します。 辛いものを食べて汗をかいて、明日に向けてリセットしましょうね!
